多くの上場企業では、株主に自社製品や割引券などを進呈する「株主優待」を行っている。

最近、私が好んで着ているジャケットは、某ブランドの株主優待セールで正価の半額で買ったものだ。鞄は株主優待券を使って10%オフで入手した。ランチにはお食事券を使うし、一献傾けるときも、優待券が使える店を選ぶ。クリスマスケーキやお節料理も株主優待で入手した。外食から生活用品の購入、レジャーなど、生活のあらゆる場面で、株主優待を使ったお得を享受できるのだ。「今年こそ優待銘柄を」と考えている読者に向け、参考までに私がいま注目している銘柄を挙げてみよう。

スーパー最大手の「イオン」の場合、100株以上の株主に買い物金額の3%がキャッシュバックされる「株主さまご優待カード」(年2回。各回100万円の買い物が上限)が届く。これを買い物が5%割引になる「お客さま感謝デー」に使えば、8%の割引。つまり消費税分が相殺される。安いものを求めてスーパーをはしごするより、ずっと合理的な節約だ。

イオンの株価は1131円(2014年12月17日終値。以下同)、3%キャッシュバックの優待を受けるのに必要な株数は100株なので、投資額は11万3000円程度だ(キャッシュバック率は株の保有率により最大7%まで変動する)。

百貨店最大手「三越伊勢丹ホールディングス」の優待は、三越、伊勢丹、岩田屋などでの買い物が10%オフになる。株価1500円台で100株単位なので、約15万円の投資で優待が受けられるのだ(持ち株数によって利用限度額は異なり、半年ごと、100株で15万円、300株で20万円)。

サラリーマンにおなじみの「吉野家ホールディングス」では、100株の保有で、吉野家、京樽、はなまるうどんの300円お食事券が半年ごとに10枚つく。投資額は約13万3000円程度だ。

外食系の株主優待なら、居酒屋やレストランなどを展開するコロワイドの子会社の「アトム」。コロワイドグループの店舗で利用可能なポイントが付与される。100株×株価676円で約6万7600円の投資に対し、2000円相当のポイントが年2回受け取れる。

自社製品を進呈する企業もある。「マルハニチロ」は、グループの取扱商品である水産缶詰、海苔など、各種詰め合わせから一品を選択できる。100株単位で投資額は18万円弱程度。