株主になることで食事券や、その会社の製品などがもらえるといった優待が受けられるが、株価が下がれば、かえって損をしてしまうこともある。注意点としてまず肝に銘じたいのは、「株価が高騰しているときには投資しない」ということだ。
「(優待+配当金の額)÷投資額×100」が株主優待と配当で得られる利回りで、私の基準では6%程度は欲しいところ。株価が高いほど利回りは低くなるので、銘柄選びと買うタイミングはじっくり考えて慎重に行いたい。
昨年はアベノミクス相場で日経平均株価が上昇し、12月8日には約7年5カ月ぶりに1万8000円台を付けた。1月半ば現在の相場状況からいえば、「銘柄によっては優待目的で投資するには躊躇する株価水準」のものもある。株主優待の魅力を知るとすぐに買いたくなる人が多いが、株価を見ずに買い急ぐのは控えるべきだろう。
また権利付最終売買日(この日までに株を買えば株主優待や配当が受けられる)が近づくと株価が高騰しやすいので、よく調べずにそのタイミングで買うのも危険。
株価下落による損失を避けるには、自分が有効に活用できる優待を行っている企業を探しておき、株価の動きを確認しながら下落したときに買う、というのが理想だ。
権利確定日を過ぎたあとの「権利落ち」の時期は株価が下がりやすい。株価が堅調だった昨年でも4月、10月に相場が急落した。このように、年に1、2回は安値で投資するチャンスがある。不謹慎と思われるかもしれないが、私は東日本大震災直後に、前から目を付けていたが、高くて買いを控えていた優待銘柄をまとめ買いした。一時的な事故や不祥事、外的要因によって相場全体が下がったときは、株を安値で買うチャンスだ。