また、LINEには「通知オフ機能」があり、これを利用するのも一つの手です。例えば、これから1時間はメッセージを着信しないという設定が可能。この機能を使って、通知オフの時間帯を勉強に充てるといった工夫を子供にさせることもできます。

私はLINE側と定期的に意見交換していますが、「夜11時~翌朝6時までは通知オフにできる」といった機能の追加を提言しています。

大事なのは、定期的に親子で利用状況を見直すこと。スマホは今後ますます必需品になるでしょう。それはつまり、子供にとってLINEなどの誘惑と常に隣り合わせになることを意味します。自己管理できる人間に育てるためにも適切な親の関与が必要になります。

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中高生は、ケータイ・スマホ中毒者!?

子供の「依存」にはもうひとつリスクがあります。実は、スマホでフィルタリング設定をするとLINEやフェイスブック、ツイッターなどを利用できません。よって、LINEを利用する中高生はフィルタリング設定をしないのですが、その結果、中高生を含む未成年者のポルノ依存の増加が大いに危惧されています。

LINEが児童買春や淫行といった福祉犯罪の温床となっている点も無視できません。LINEユーザーには通常、IDが割り当てられます。このIDを相手と交換することによって、チャットなどのやりとりが可能になるのですが、一方で出会い系サイトのように見知らぬ他人同士が知り合うこともできるため、犯罪の起こるリスクが生じているのです。ただ、LINE側は、18歳未満のユーザーのLINEID利用制限するなど、福祉犯罪対応については進展が見られます。

いずれにしろ、子供にスマホ所有やLINEをすることを許可すると、残念ながら親はこうした様々な心配をしなくてはならないことを承知しておくべきかもしれません。

千葉大学教育学部教授 藤川大祐(ふじかわ・だいすけ)
専攻は教育方法学・授業実践開発。『教科書を飛び出した数学』『いじめで子どもが壊れる前に』など著書多数。NPO法人企業教育研究会理事長、全国教室ディベート連盟理事長なども務める。
(構成=大塚常好 撮影=堀隆弘)
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