ガミガミ怒るほど「メシが食えない子」に
勉強もスポーツもいまひとつパッとしない。そんなわが子の現状に思い悩む親は少なくありません。でも考えてみれば、優秀な成果を残す子のほうが少数派であり、ほとんどが「その他大勢」です。
子どもが小学生であれば、親はことさら焦る必要はありません。大事なことは、目先の勉強や習い事で目立つことよりも、将来的にしっかりと「メシを食っていける大人になること」のはずです。
今はまだ凡庸でも、親はおおらかな気持ちで、まずは子どもの存在を100%受け止め、認めてやる。その安心感が飛躍の土台になります。
ところが、昨今増えている「心配性の母」は成長を待てません。完璧主義で頑張り屋なタイプの母親ほど世話焼きで(図参照)、ウチの子は大丈夫か、なぜ何をやってもダメなのかと勝手に心配と苛立ちを増幅させ、おおらかさを失ってしまいます。
とりわけ男の子の場合、時にヤンチャな言動をしがちですが、それに対してガミガミ怒り、「いい子」を強要する。いわば、子どもの角をポキンと折って、打たれ弱いヤワな体質にしてしまうことがあるのです。
メシを食っていける大人に育てるには、次の5つの基礎力が欠かせません。
(1)ことば(聞く、伝える)の力
(2)自分で考える力
(3)想い浮かべる(俯瞰)力
(4)試そうとする力
(5)やり抜く力
それらが中・高・大学を経て将来的にはプレゼン力や営業力、課題解決力、忍耐力、リーダーシップといった素養につながります。
小学4年頃までに(1)~(5)の基礎力を子どもに備えさせるのが理想的ですが、同時に何らかの「葛藤経験」をさせ、それを子ども自らが克服し自信を得るということが大切です。