検査で私生活がバレバレ

ドクターはやさしい口調ながら、ずばずばと私の体内でいま起きていることを解説していく。

「コリンステラーゼの値が高いということは、肝機能が悪くなってきているということかな」

GOTとGPTの比較から脂肪肝を疑われ……お酒は好きだろうけれど、本当はそんなにアルコール分を分解できる体質ではないから気をつけなさい、と諭され、子供のようにこくんと頷く私。

その後も、「フェリチン」の値の低さからは疲れやすさ、腰痛、抜け毛、関節炎が起こりやすいこと、「尿酸値」の低さからは抗酸化力の不足の可能性を指摘されてしまった。こんなに細かくみられたら、ああ、全てお見通し。血液は、身体の情報の宝庫。全てを物語るのだ。

人間ドッグや健康診断の血液検査ではとうてい読みとけない細胞レベルの血液データをドクターはすらすらと読み解いていく。そして、人生がうまくいくように、栄養学とホルモンの両面から指導してくれるのだ。

その姿は、まるでカリスマ占い師。クリニックに通う女性は身体が変わり始める30代から50代が多く、上は80代までいるという。男性のビジネスパーソンも少なくないらしい。

美容クリニックであるだけに、訪れる人々の目的は、基本的には外見の維持・向上だが、「外見を憂うより先に身体の内部をみて、もっと自分を知った方がいい」とドクター。だから、まずはこの血液検査をすすめるという。

他の医療機関でもこの検査はやっているが、美容クリニックでこの検査ができるところは、ほぼないという。分子整合栄養学の70項目だけなら1万5000円と価格も比較的リーズナブルだとは思う。なにせ、ズバズバ自分の体調のことを言い当てられるから、説得力がある。ドクターのカウンセリングが1時間ついているのも安心だ。