血液の成分100項目を分析・読解する

たとえば、冒頭の「傍目にはとても元気に見られるけれど、本当はやる気がなかなか起きないでしょう」について。意地悪く言えば、占い師が「あなた最近、辛いことがあったでしょ」などとどんな人にも少しは心当たりがあるようなことを言うようなニュアンスでドクターが語ることもできるかもしれない。だから、どうしてわかるのか率直に聞いてみた。

まず、なぜ「まわりから見ると元気に見られる」とわかるのか。

松倉ドクターが注目したのは、「コルチゾール」という成分だった。この量が私は平均よりやや多かった。コルチゾールは、いわゆるストレスホルモンでストレスに敏感に反応してアドレナリンなどとともに分泌されるもの。その量が増加している、ということは、いわば「身体がストレスと戦い一生懸命頑張った」ということなのだ。

「リンパ球」の割合の低さからもストレスホルモンが多く出ていることが裏付けられる、とドクター。どうやら、私、知らずのうちにストレスにまみれ、それらを跳ね返そうと張り切っているようなのだ。

だがその一方、「DHEA-S」という抗ストレスホルモンの値が低い。「つまり、ストレスに打ち勝つ力が足りないとも言えるんです」という言葉にがっくり肩を落とす。

さらに、「テストステロン(男性ホルモン)」の値が低いので、戦う本能、前向きな意欲が起きない、つまり、なかなかやる気が起きない、集中力が持続しない、と結論付けられるらしい。

「常に身体が興奮状態にあるということは、寝付きが悪く、眠りも浅く、疲れがとれにくい可能性がある」というのもほぼ図星だった。

寝付きはいいが、確かに眠りは浅い筆者。睡眠時間はたっぷりなのに、朝起きるとどっと疲れていることしばしばだ。すべてバレバレである。

「インスリン」も人より多く出ているようで、これは、「糖の過剰摂取の可能性があります」と。インスリン過多だと食後の眠気を誘うらしい。実は、よくソファでうたた寝をして息子に注意されている。脂肪がつきやすくとれにくい体質ということまでばれてしまった。