入籍前後

2004年、僕は長年、連れ添ったカミさんをなくしました。病死です。子どもも2人いますよ。どちらも30歳を越していて、独立しています。

僕は料理や洗濯もできるし、仕事が充実していたから、今のカミさんとつきあっていたときも結婚する必要を感じなかった。でもねえ、女性は誰でも「1度は結婚したい」という願望を持っているでしょう。それで籍を入れ、披露宴もやったんです。

問題? うーん、1つあるな。お義父さんは僕より1つか2つ年上で、お義母さんは1つ下なんです。お義母さんと僕は仲良くやっているのですが、お義父さんとはいまだに会ったことがない。1度は挨拶に行かなきゃと思ってはいるのですけれど……。カミさんが僕と結婚したい、と言ったところ、「一恵(妻)、ヤケになるんじゃない」と怒ったらしいんです。

新婚生活

うちのカミさん、40歳ですけれど、とても若く見える。今の40代女性は若いですよ。黒木瞳だって40代でしょう。昔の人に比べれば若いし、人間的にも成長している。性的にも、きっと成熟しているでしょう。

前のカミさんと結婚していたとき、僕は仕事ばかりして、まったく家庭を顧みなかった。今は映画でも友人とのパーティでも、なるべく一緒に行きます。また、朝は僕が先に起きて朝食を作り、弁当をこしらえて持たせてやる。タコのウインナまでは作らないけれど、玉子焼きなんかちゃんと作ってますよ。前のカミさんには何もしてやれなかったから、せめてもの罪滅ぼしかな、と。

彼女が偉いなあと思うところは、前のカミさんの仏壇に花を供えたり、お墓参りにも一緒に行ってくれること。

昔のことだけれど、作家の木々高太郎が「人生2回結婚説」を唱えていました。男女とも、1度目は年上と結婚し、2度目は年下と結婚する。いいことじゃないかなあ。1人より2人でいたほうが世間が開けます。チャンスがあったら、男も女も恋愛をしたほうがいい。たとえ、いくつであっても。

(構成=プレジデント編集部)