交渉のタイミングは月末の日曜の夕方
最終的に値引きしてもらうには、売り手の社内で稟議を通してもらう必要がある。会社に頭を下げてやっとの思いで稟議を通したのに、やっぱり買ってもらえませんでしたではシャレにもならない。条件が折り合えば確実に買ってくれる客であることを営業責任者に認識してもらうことが、値引きの交渉の鉄則だ。
その際には、これだけの頭金が用意できているが住宅ローンが組める金額はいくらが限界とか、三五年ローンとして毎月の返済額をあと一万円減らしたいからなど、懐具合を具体的に説明する。要するに、稟議を通しやすいように「住宅ローンの支払いがぎりぎり」といった理由をあらかじめ考えておくわけだ。
狙い目の時期として、ずばりベストは年度末だ。年度予算をクリアできるかできないかの境目であれば、妥協点を買い手の希望に近づけやすい。次に月末の日曜日夕刻、そしてそれ以外の日曜日の夕刻という順になる。不動産の商談は週末に集中する。土曜日は売り手の気持ちに余裕がある。だが、日曜日の夕闇迫るころはなんとかせねばという心理が働く。そこをピンポイントで突くのだ。
もし、キャンセル物件で値引き交渉に成功しても、入居後に隣近所にそのことを口外してはならない。妬まれたり、厄介な問題を抱え込む原因になるからだ。また、売り手から守秘についての念書を求められたらきちんと応じよう。
エージェントサービス社長 石井成光
1963年生まれ。多くの中小企業で不動産営業畑を歩む。現在日本版バイヤーズエージェントとして買い主サイドに徹した不動産サービスを展開。
1963年生まれ。多くの中小企業で不動産営業畑を歩む。現在日本版バイヤーズエージェントとして買い主サイドに徹した不動産サービスを展開。
(構成=三星雅人)