今後のさらなる成長を図るうえで、同社は、グローバル展開を重要な課題と捉えている。現在、パズドラは、アメリカ、カナダ、イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、スペイン、オランダ、フィンランド、韓国、香港、台湾などに展開している。例えば、アメリカとカナダを合わせた北米市場では、本年3月に累計ダウンロード数が300万を超え、また香港では本年1月にリリースしてわずか3カ月でAppStoreとGooglePlayで売り上げランキング1位を獲得した。

この勢いで今後、精力的にグローバル化を進めていくと推察できるが、森下氏は、自戒を込めてこう述べる。「純粋にゲームがいいからといって、日本で売れてるからといって海外で売れるという保証はありません。世界展開をすると単純に売上高が積み上がるかというとそうではない。国によって、配信の仕方を変えなければならないからです」。

事実、北米では、アップルとグーグル用のソフトが出せるが、中国ではグーグル用は出せず、またヨーロッパも昔の日本のガラケー状態で、ユーザーの機種依存度があまりにも強すぎて、全機種対応は現実的ではないという。

加えて、重要なのが、同社のゲームは、「売り切り」制ではない点だ。コンテンツの配信だけでなく、きちんとしたサービスが提供できなければ収益は得られず、存続ができないのだ。つまり、進出する各国に合った運用体制を整えなければ、息の長いビジネスができないのである。

同社は、このような問題性をしっかりと認識し、地道にグローバル展開を図っている。この努力の結果、いずれ世界中の人々に日本のユーザーが体験したのと同じ感動と楽しい経験を届ける日がくるだろう。そしてそれは同社の収益につながり、さらなる洗練されたサービスへとつながっていくことだろう。

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