「島型」vs「双子型」それぞれの分担法
パートナーの選定について自分に発言権がある場合は、コミュニケーションをとりやすく、協働や議論がしやすい相手を選ぼう。ジョブシェアリングの場合、業務や会社の方針や私用の優先順位についてしょっちゅう厄介な話し合いをする必要があるので、相性のよい相手を選ぶことが肝要だ。だが、自分とそっくりな相手を求めてはいけない。ジョブシェアリングが当人たちにとって、また会社にとっても、最もうまくいくのは、2人が補完的なスキルや経験やものの見方を持っている場合だと、ベイリンは指摘する。
「どんな職務でも分担の仕方はたくさんある」と、ウィリアムズは語る。「さまざまな要素をすべて思い浮かべて、最も効果的になるように振り分けることが大切だ」。それぞれが特定の仕事に責任を持つような分け方もあり、これは「島型」、もしくは「職務分割」と呼ばれる。2人が同じ仕事をし、働く曜日を(通常、少しオーバーラップさせて)分けるだけというやり方もある。これは「双子型」と呼ばれ、2つのうちでは通常後者のほうが簡単だ。どの分け方を選ぶかは、職務の性質と各人が仕事にどのような嗜好やスキルを持ち込むかで決まる。
「言わなくてもわかるはず」は通用しない
「ジョブシェアリングを成功させるためには、シェアする当人が積極的に相手に情報を伝えたり、情報を求めたりしなければならない」と、フリードマンは言う。
「『マインド・メルド』(「スタートレック」のミスター・スポックが持っている、考えを他者と共有する能力)を思い浮かべるとよい」。理想を言えば、このコミュニケーションは対面で行われるべきだが、ジョブシェアリングをしている人の多くが電子メール、電話、スカイプなど、他の方法で連絡をとり合っていると、ベイリンは言う。こうした連絡の際に、仕事の優先順位について考えをすり合わせ、何であれ出てきた問題について議論し、必要なら仕事の引き継ぎをし、全般的に状況がどうなっているかを確認しよう。「言わなくてもわかるはずだと思ってはならない。言葉ではっきり伝える必要がある」と、ウィリアムズは言う。