――国土交通省は今後、減車についても検討している。減車により、消費者利便やサービスが悪化する恐れがある。

国土交通省の行う施策は、大手に有利なことが多い。減車政策もそうです。私どものように稼働率も高く、売り上げも伸びている会社と、大手でタクシーが余っているような会社が一律で減車を命じられるのは理不尽に感じます。私たちより大きい会社でまともに利益が出ているところは一つもありません。大手を護送船団方式で何とか生き延びさせてやろうというのが国土交通省の思惑でしょう。

――今、大阪では、多くのタクシーが割安な認可運賃の維持を求めて国土交通省と大きくもめている。

「損して得をとれ」という大阪の商売上手な気質が表れているのでしょうね。私どもの方針は、「損して損しろ」です。ルールはきちんと守りながら、お客様にどんどん還元していく。割安な料金設定もそうですが、世界一と自負するタブレットを使った配車システムもそうです。

大手のシステムは、従来の電話配車が単にタブレット経由になっただけのもの。結局オペレーターが人力で空車のタクシーを探しています。われわれのシステムではお客が配車を依頼した時点で、自動的にタクシー車内のタブレットが乗客位置までのカーナビの案内を始めるのです。

さらには、世界に先駆けて収集してきた統計データがあります。「何時に、どこで」お客が乗ったかという過去データを積み重ねることで、営業の効率が日々高まっています。

エコシステム社長 中村秀樹
1950年、工場労働者の家庭に生まれる。78年、公立学校教員。担任クラスで「わんちゃん先生」と呼ばれる。91年、児童が拾った犬を教室で飼い、5段階評価で全児童に(最高の)「5」の評定をし、円滑な学校運営に支障を生じさせたことなどを理由に、分限免職処分に。2004年9月から東京でタクシー営業を開始。
(構成=唐仁原俊博 撮影=奥谷 仁)
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