負けない野球は「先読みと逆算」にあり

森が西武監督時代、脚光を浴びた継投は、鹿取義隆、杉山賢人、潮崎哲也の“サンフレッチェ(三本の矢)”だ。

リリーフが1人なら、鹿取、杉山、潮崎の3種類。2人なら、鹿取-杉山、鹿取-潮崎、杉山-潮崎、杉山-鹿取、潮崎-鹿取、潮崎-杉山の6種類。3人なら、鹿取-杉山-潮崎、鹿取-潮崎-杉山、杉山-鹿取-潮崎、杉山-潮崎-鹿取、潮崎-杉山-鹿取、潮崎-鹿取-杉山の6種類。

合わせて15種類の中から、相手打線を見据え、ベストの組み合わせを選び、ほとんど失敗がなかった理由は、「先読みと逆算」にあったといっていい。

日本シリーズで巨人に2連勝したとき、「やっとイーブンになりました」と語ったのも、同様の理由である。

森が述懐する。

「ある人はおまえ一流の煙幕だろううといい、またある人はちょっとカッコつけてみたんだろうといったが、そうじゃない。2連勝したとはいえ、第3戦に負ければ、2勝1敗。相手は、むろん1勝2敗。気持ちのうえではタイになる。『やっとイーブンになりました』というのは、先々を見据えたうえでの正直な感想だったんだ」

結果、森西武は巨人に4連勝し、日本一に輝いた。

【森祇晶監督 レギュラーシーズン通算成績】
 1436試合 785勝583負68引き分け 勝率5割7分4厘

(文中敬称略)※毎週日曜更新。次回は星野仙一監督

【関連記事】
なぜ日本一監督は捕手出身が多いのか?
長嶋茂雄:球場で起こることすべてでファンを魅了する
なぜ、都立小山台高校野球部員の7割は一流大学に現役合格できるのか
ビジネスモデルに見る「プロ野球再生」の道
「選手を泣かせてやりたいんだ」-星野仙一