ミューズスクエア開業の本当の狙いは…
では、消費者が街に求めるものそのものが変化したいま、ミューズスクエアの開業によって、自由が丘はかつての賑わいを取り戻すことができるのだろうか。
寺嶋氏の見方は、意外にも慎重だ。
「二子玉川や武蔵小杉など、近隣のライバルの存在は手強く、買い物客そのものが大幅に流入してくるかどうかは現時点では分からない」
一方で、寺嶋氏が注目するのは、今回の再開発で自由が丘の住宅地としての魅力が向上していくという未来だ。
「ミューズスクエアのような高級レジデンスができると、その周辺の不動産にも注目が集まる。第一、ミューズスクエアに『叙々苑』や『明治屋』のような富裕層を狙ったお店が入居していることを考えると、ブランド価値向上を狙っているのは明白だ。さらに、自由が丘では今後も再開発が計画されており、もともと建物の高さの規制関係で新築着工が難しかったところを、改善していく流れも考えられる」(寺嶋氏)
学習塾の自由が丘校はレベルが高い
江原氏も、自由が丘の「住む場所」としての地位は盤石であり、依然として人気が高い、と見る。
「自由が丘の不動産価格は全く落ちておらず、いまだに人気のエリアであることは間違いない。ただ、他の再開発エリアのように、大規模な新築マンションや一戸建ての分譲地がほとんどなく、『住みたくても住めなかった』。そういう意味では、ミューズスクエアに170戸のレジデンスを入れたという戦略は、街の成長力向上につながると考えている」(江原氏)
加えて、寺嶋氏は自由が丘が富裕層のニーズに応えられている要素がある点を指摘する。
「治安が非常に良いことは富裕層にとって明確なプラスだろう。さらに、子どもの教育にも力を入れている街だ。自由が丘には日能研やSAPIXなどの塾も多いが、聞くところによると、これらの塾の中でも、自由が丘校は相当にレベルの高い子どもたちが集まっているとか」(寺嶋氏)
