焦る前に眠る、眠ってから考える

若いころは、夜更かしも大好きでした。深夜放送を聞いて、夜中にお腹が空いて、こっそり台所で何かつまんだりして。そういう時間も、確かに楽しかったわ。でも、今は目にも体にもよくないので、だんだん早寝早起きに切り替えているの。

田村セツコ『最後までひとり暮らし』(明日香出版社)
田村セツコ『最後までひとり暮らし』(明日香出版社)

とはいえ、「明日のトークショー、大丈夫かしら」とか、「原稿が間に合わないかもしれないわ」とか、そんなプレッシャーがあると、やっぱり寝つきが悪くなることもあるんです。

そんなときに思い出すのが、どなたかの次の言葉です。

「困っちゃう前に、まず眠りなさい」

焦る前に眠る。眠ってから考える。

眠りたいときは、鼻から静かに息を吸って、口からゆっくり吐く。山にいる仙人のような人の呼吸法を読んだことがあるんだけれど、結局のところ、「深呼吸はやっぱり大事」ということですね。

嫌なことが頭をぐるぐる回り始めたら、息と一緒に一度外へ出してしまう。「はい、一回外に出ました。また入ってきたら、また出せばいい」と、少し距離を置いて眺めてみるの。そのくらいのつもりでいると、夜の不安も少し薄くなります。

わたしは今日も生きている

朝、目が覚めたとき、布団の中で、そっと手を動かしてみます。ちゃんと指が動く。足も、痛いながら動く。それだけで、ありがたい。

心の中で、両親にお礼をいいます。産んでくれて、育ててくれて、ありがとう。丈夫な体をくれて、ありがとう。

わたしは今日も生きている。それで十分です。

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