年をとると、味覚も変わってくる

年をとると、味覚も変わってくるし、量もたくさんはいりません。そのぶん、一口一口をちゃんと味わえるようになり、噛みしめながら食べる時間が、食事そのものよりも大切になってくるのね。

「もっといいものを食べたほうがいい」といわれるたびに、いいものとはなんだろうと考えます。値段が高いことと、心が満たされることは、必ずしも一致しないわ。

自分で作ったものを、自分の体調と気分に合わせて、自分のペースでいただく。その当たり前のような行為が、こんなにも気持ちを落ち着かせてくれるということを、若いころのわたしは、あまり知らなかったのね。

買い物は「つまみ食い」するように

食べ物の買い方にも、ちょっとしたコツがあるのね。大きなスーパーも便利だけど、道を一本入ったところにある、小さな八百屋さんや魚屋さん。そういう「顔の見えるお店」を見つけておくと、買い物がぐっと楽しくなるわ。

コンビニも利用するし、商店街も歩くし、1つのお店に決めつけないで、いろいろな場所を「つまみ食い」するように買い物しているの。

果物店の入口
写真=iStock.com/SuikaArt
※写真はイメージです

当てにしていなかったお惣菜屋さんのきんぴらが、思いがけず、びっくりするほどおいしかったり、焼き鯖の味噌煮が、「これをひとりで全部食べていいの?」というくらい上出来だったり。

「栄養、意識されてますか?」と聞かれたら、「意識はしているけれど、お値段のことを考えると、ちょっと迷います」と答えちゃう。里芋も長芋も大好きだけど、お値段と相談しながら、その日の体調に合いそうなものを選ぶ。「今日はちょっと疲れているから、ぬるっとした長芋に助けてもらおう」とかね。

八百屋さんのおじさまは、「野菜は薬だからね」。ほんとにそう。副作用のないおいしいお薬ですよね。