牧畜犬は人への服従性が高い

同じような結果は、DPQ(より広い範囲でイヌの性格を分析する質問紙調査票)にもとづく大規模な性格研究からも支持されています。遺伝解析の結果から、ヒトへの社交性、オモチャへの反応性、そしてヒトの指示への服従性という性格特性の遺伝率が高いことが示されています。

屋外で触れ合う飼い主とボーダーコリー
写真=iStock.com/Yagi-Studio
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これらの向社会的な性格がAKC(アメリカン・ケネル・クラブ)の犬種グループでどう違うのかを確認してみると、牧畜犬グループとスポーティング・グループがほかの犬種グループよりも高めです。具体的には、牧畜犬グループはオモチャへの反応性とヒトの指示への服従性が高く、スポーティング・グループはオモチャへの反応性が高いという傾向でした。これら二つの犬種グループを深掘りしましょう。

ボーダー・コリーは人と共同作業ができる

一つ目の牧畜犬グループには、ボーダー・コリーやジャーマン・シェパードやベルジアン・シェパード・マリノアなどが含まれます。いずれもヒツジやウシなどの遊牧生活を送る家畜を追ったり守ったりする役目をもつ犬種で、ヨーロッパ各地でつくられました。

ボーダー・コリーに代表される「ヘッダー」とよばれる犬種は、低い姿勢で家畜の前に立ちはだかり、鋭い視線でにらみを利かせて家畜の群れを巧みにまとめます。最終的にヒトと協力しながら家畜の群れを目的の場所に誘導するその様子は圧巻です。このようなヒトとの複雑な共同作業を行うためには、家畜への関心だけでなく、自分の衝動を制御する能力も必要です。そのため、牧畜犬がオモチャへの反応性とヒトの指示への服従性が高いという結果も納得です。

空中で円盤をキャッチするボーダーコリー
写真=iStock.com/Anna-av
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雑種でもボーダー・コリーの血が入ると…

さらに、雑種犬の遺伝解析をすると、ボーダー・コリーの血統を多く受け継いでいるイヌほど服従性が高いという結果も得られています。ボーダー・コリーがトレーニングに従いやすいという性格は、それほどまでに遺伝的影響があるようです。