午後の眠気に、コーヒーの代わりに散歩を

歩行は、仕事の生産性にも大きく寄与します。歩くと脳の中で、こんなことが起こります。

・脳への血流が増加する
・意思決定や集中に関わる前頭葉がしっかり動き始める
・眠気を遠ざけ、脳を覚醒させる
・筋肉と神経のつながりも活性化される

歩いた日は、歩かなかった日と比べて、生産性がおよそ20%上がると言われています。

特に、眠気を感じたときに、効果を実感しやすいでしょう。頭が動かなくなった午後、多くの人はコーヒーに手を伸ばします。ただ、カフェインは眠気の原因となる物質の働きをブロックすることで「眠くない状態」を作るだけです。脳を本当に動かしているわけではない。だから数時間後に、必ず反動が来ます。

30分の歩行には、カフェインを上回る覚醒効果があります。しかも、反動がありません。歩いて戻ってきたときの頭の軽さは、コーヒーを飲んだときとは、質が違うのです。30分が難しければ、10分でも違います。

・朝、隣の駅まで10分歩いてから仕事に向かう
・昼休みにコーヒーのかわりにオフィスビルの周りを一周する
・午後、行き詰まったらオフィスフロアを出て少し歩く

どれかひとつでも、今日から始められます。

歩き終えて席に戻っても、発想力への効果は続く

嬉しいことに、歩行の効果は歩き終わった後も続きます。

久道勝也『走るより運動になる「歩き方」』(サンマーク出版)
久道勝也『走るより運動になる「歩き方」』(サンマーク出版)

スタンフォード大学の実験によると、歩きながらアイデアを出した後、椅子に座ってもその創造性はすぐには消えず、歩行中の約9割の高さが保たれることが確認されています。つまり、朝歩いてから仕事に向かうと、その効果がそのまま午前の仕事中も続いていくのです。

ただし、効果は数時間で徐々に薄れていきます。そのため、こまめに分割して歩くのがおすすめです。30分をまとめてではなく、10分を3回に分けた方が、1日を通じて脳の活性化した状態を保てます。

参照文献
・Poulton R, Moffitt TE, Silva PA(2015)「The Dunedin Multidisciplinary Health and Development Study: overview of the first 40 years, with an eye to the future」Social Psychiatry and Psychiatric Epidemiology
(ニュージーランド・ダニーデン市で約1000人を出生時から追跡する長期研究の概要)
・Oppezzo M, Schwartz DL(2014)「Give your ideas some legs: The positive effect of walking on creative thinking」Journal of Experimental Psychology: Learning, Memory, and Cognition
(歩くことが創造的な発想を高めることを示したスタンフォード大学の実験研究)
・Morava A, Fagan MJ, Prapavessis H(2019)「Effects of Caffeine and Acute Aerobic Exercise on Working Memory and Caffeine Withdrawal」Scientific Reports
(カフェインの摂取と短時間の有酸素運動が、記憶力やカフェイン離脱症状に与える影響を比べた研究)

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