●いたわりあい(タレント、エッセイスト 小島慶子)
小島慶子氏

五輪誘致で注目された「おもてなし」。ゲスト(=外の人)への温かい心を表す良い言葉だと思いますが、隣人(=中の人)への目線はどうでしょうか。ベビーカー論争やマタハラが起きるのは、お客ではない人への冷たさゆえと感じます。いつ自分が弱者になるかわかりません。隣人に対していたわりの心を持つことが、長い目で見て幸せをもたらすと思います。

●お互いさま(専業主夫、翻訳家 堀込泰三)

長男が1歳だった6年前、アメリカで主夫生活(このときは育休)をスタートしました。驚いたのは、息子が街で騒いでいると高校生の男の子すら「Hey dad, what's up?」などと声をかけてくれたこと。日本では「人に迷惑をかけてはいけない」と教えられますが、現地では迷惑は「かけるもの」が前提。みんなかつては子どもでした。お互いさまの心を取り戻すことで、より豊かな社会になると思っています。

●2020年へ(公認会計士・税理士 天野隆)

東京五輪決定以来、各種会議の質が変わった。これまでは自分たちの部署・会社・業界のみの利益しか考えなかった人が、「大きな枠」でみんなにとってメリットのある話・企画かどうかを問うように。そんな姿勢が今後広まる。

●言葉の因数分解(8 bit. news CEO 堀 潤)

言葉は、複雑なことを説明するのに便利な道具。ただ、便利すぎてよく考えずに使っていることも多い。たとえば「原発には反対だ」という言葉。原発とひと言で言っても、国内の発電所なのか、輸出を指しているのか。ひとつひとつ言葉を分解していくことで、起きている事象や自分の考えの中の見えなかったものが見えてきます。

●こじらせ女子(弁護士 中川彩子)
中川彩子氏

自分の女性性を受け入れられず、生きづらさを感じる「こじらせ女子」が静かな話題になっています。エッセイ、マンガなどで「こじらせ女子」にまつわる優れた作品も多数生み出されており、新しいカルチャーの発信源となりそうです。

●外向き志向(KDDI専務・新規事業統括本部長 高橋誠)

外部のパートナーとのコミュニケーションを増やすことで、ビジネスの領域が広がると思っている。2012年からわが社はベンチャー企業の支援や投資を始めた。若い起業家に接して、予想以上にこちらが刺激を受けている。自社だけではダメ。外の人と一緒に伸びていくという発想がこれからは重要だ。

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