がむしゃらに働いているのに小遣いはごくわずか。妻と子どもはそっぽを向き、老親の介護も。こんなに苦しいのに誰もわかってくれない――。ベストセラー『考えない練習』で読者から圧倒的な支持を得た名僧が、あなたの日頃の迷いに対して、考え方の筋道をわかりやすく説く。

まず、マイホームでも車でも、または家電製品や身の回り品でも、何でも買い物をする際には、身の丈に合ったものを買うことが肝要です。自分の収入や支払い能力に見合った買い物ならば、ローンに圧迫されたりはしないでしょう。

けれども人はつい、より高級なもの、言うなれば、分不相応なものに手を伸ばしてしまいます。たとえば住宅の場合、3000万円の家なら自己資金と無理のないローンで買えるのに、背伸びして4000万円の家を買ってしまう。その結果、ローンの支払いが苦しくなったりします。

もちろん、4000万円の家のほうが設備が整っていたり、交通の便がよかったりということがあるでしょう。しかし、つい背伸びをしてしまう心の内では往々にして、そのもの自体がどうしても欲しいというよりも、そうした高級なものを手に入れることで「自分のグレードを上げたい、自分の価値を高めたい」との欲望が働いている場合が多いのです。これもまた「慢」の煩悩のなせる業。

(構成=岩原和子 撮影=若杉憲司)
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