青いピンバッジをつければ、すべて解決するか

日本人は「日本が平和憲法を持った国家」であると思っている。しかし、実際は世界の人はそんなこと知らない。外国の憲法なんて誰も興味ない。ほとんどの日本人だって、韓国の憲法や米国の憲法なんて知らないでしょう。大事なことは、誰かが日本が平和国家であり、友好関係を結ぼうと訴えなければならないということです。

――最後に、日本の国会議員、メディアに言いたいことはありますか。

【猪木】私が議員になって最初に訪問したのがキューバでした。当時、国会議員が誰も行ったことがなかったのですよ。みんなアメリカに気をつかったのでしょうね。

最初にスポーツ大臣、産業大臣といろいろ会って、最後にカストロ議長です。とにかく人間的で、大きなオーラがありました。着飾ったところが何もない。普通は緊張した感じになるはずなのに、いきなり「やあ」と挨拶して、座りなさいと言って、足をテーブルの上に乗っけるわけですよ。

そんなキューバも今、本気で国を開こうとしているところです。北朝鮮も同じで、国の悪いイメージを変え、宣伝したいという思いがあるわけです。でもテレビを見ると猪木は利用されるとか、そういうレベルでしか話さない識者が多い。「ああこの人はこの程度か」と、人を見るのに勉強になったという感じです。少なくとも(拉致議連の)青いピンバッジつけて文句言っているだけでは何も変わらない。誰かが行動しないとね。

アントニオ猪木
本名・猪木寛至。1943年2月20日、横浜市鶴見区に生まれる。14歳のとき、家族とともにブラジルに移住。60年、力道山にスカウトされて帰国、日本プロレスに入団。66年東京プロレスを旗揚げ。67年日本プロレスに復帰した後、72年に再び独立し、新日本プロレスを興す。柔道王ウイリエム・ルスカ、プロボクシング世界ヘビー級王者モハメド・アリらと「格闘技世界一決定戦」を行い、世界にその名を轟かせる。リングの外では、89年スポーツ平和党を結成。2013年、参議院議員。
(タカ大丸=インタビュー・構成 原 貴彦=撮影 アントニオ猪木事務所=写真提供)
【関連記事】
拉致議連トップも太鼓判! 北朝鮮外交「いよいよ成果が見え始めた」 -アントニオ猪木氏
韓国、中国が狙う、北朝鮮の植民地化
結局、“張成沢氏銃殺”で北朝鮮に何が起こるのか