食品の値上げが相次ぎ、家計への負担感が強まっている。帝国データバンクの飯島大介さんは「原材料費や物流費、人件費の上昇は企業にとって避けられない問題だ。だがいま問われているのは、なぜ今、なぜこの商品を、なぜこの幅で値上げするのかを説明する姿勢である」という――。
食料品でいっぱいのショッピングカートと上向きの赤い矢印
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「値上げラッシュ」はまだまだ続く

しょうゆ、マヨネーズ、食酢、冷凍食品、清涼飲料――。帝国データバンクが主要食品メーカー195社を対象に集計した価格改定動向調査では、2026年9月に値上げされる飲食料品は4923品目にのぼった。

【図表1】月別値上げ品目数の推移(2024年以降)

単月では2023年4月(5404品目)に次ぐ過去4番目の多さで、前年同月の1467品目の3倍を超える。10月も3000品目超えが見込まれ、今年の値上げは秋にピークを迎える見通しだ。

年間では、2026年1〜11月の判明分だけで1万9083品目にのぼる。原油とナフサの高騰が包装資材と物流費に波及した、いわば「中東発インフレ」の1年である。

厄介なのは、一度上がった価格が下がらないばかりか、値上げの間隔そのものが詰まっていることだ。

広がる「便乗値上げ」を疑う声

キユーピーは11月1日出荷分から家庭用224品目を約3〜25%引き上げる。主力のマヨネーズ450gは参考小売価格(税抜)で517円から565円へ。2025年9月の481円から数えれば、14カ月で17.5%の上昇である。帝国データバンクの調査でも、価格改定までの期間が「短くなった」と答えた企業は26.3%、製造業では34.6%。値上げの間隔は確実に詰まっている。

ここまで値上げが続けば、「企業は物価高に便乗しているのではないか」と疑いたくなるのも無理はない。今年6月には、公正取引委員会が明治、ロッテ、森永乳業、森永製菓、江崎グリコ、赤城乳業のアイス大手6社に立ち入り検査に入った。価格改定の幅や時期をめぐって情報交換をしていた疑いが持たれているためだ。

では、日本で本当に「強欲インフレ」は起きているのか。