現代社会で脅威となる自然現象の一つに気象災害がある。台風や線状降水帯の発生によって土砂災害が起き、毎年多数の犠牲者が出る。また地球温暖化は全世界で問題となり、脱炭素政策は政治経済の中心課題だ。いずれも地球を取り巻く「大気」で起きる現象だが、これを研究する分野が地球科学である。

本書はその本質をわかりやすく解説する入門書で、地球大気の成り立ちから気候変動まで数多くの図版を用いてビジュアルに解説する。著者は新進気鋭の気象学者。文系出身だが天気に興味を持ち、大学入学後に気象予報士の資格を取得した。大学で担当する地球科学は受講希望者が1000人を超え、毎年抽選を行う講義名人でもある。本文中にユーモラスな挿絵を挟み、楽しみながら学べる工夫が随所に施されている。

『みんなで学ぶ!地球科学の教科書』
『みんなで学ぶ!地球科学の教科書』
● 永田玲奈 著
● 古今書院
● 本体価格2,200円+税

第1〜3章では地球を取り巻く大気の基本事項を押さえる。地球大気の成り立ちと運動、地球のエネルギー収支を理解し、地球がいかに特別な環境を持つ星であるかを学ぶ。

(イラストレーション=保光敏将)