心の状態が行動の「質」を左右する
機嫌とは、日本人固有の心のあり方を表す言葉です。前に「ご」を付ければ、ご機嫌。楽しかったり、ワクワクしていたり、リラックスしていたりするときの心の状態です。前に「不」が付くと不機嫌になり、苦しかったり、イライラしていたり、落ち込んでいたりするときの心情を示します。
機嫌とは、心の状態なので目には見えません。そのせいか多くの人が、心のあり方には無関心です。しかし仕事もプライベートも人の営みですから、心を抜きには何も語れません。
私がメンタルトレーニングをしているトップアスリートたちは、体を鍛えるトレーニングと同じくらい心のあり方に注意を払っています。彼らは、心のあり方がパフォーマンスに大きな影響を与えることを、体感や経験として知っているからです。
それはスポーツに限った話ではありません。上司の機嫌が悪いと、仕事の効率は上がりません。家族が不機嫌だと日常生活もギスギスしてしまいます。機嫌が悪くて、集中できない、余裕がなくなりミスをしてしまった、相手に優しくできなかった……そうしたことに身に覚えがある人も多いでしょう。
裏を返せば、心のマネジメント――自分で機嫌を取ることができるようになれば、仕事やプライベートが充実します。だからこそ、パフォーマンスが勝負の結果に直結するアスリートは、心のあり方を常に意識し、自分で自分の機嫌を取る術を身につけているのです。
なぜ、機嫌がいいとスポーツのほか、ビジネスやプライベートのパフォーマンスが上がるのか。
それは、すべてのパフォーマンスが次の2つの要素から成っているからです。それが「内容」と「質」。すべての人が、すべての瞬間、「内容」と「質」の2つをもとに生きています。
内容とは、何をするか。そして、何かした場合は結果である「質」が問われます。この「質」を左右するのが、心の状態です。心を整えて臨めば、パフォーマンスの「質」を高められます。
運さえもよくなる「ご機嫌」の5つのメリット
機嫌をコントロールするメリットについて掘り下げます。「質」が高まる(ここでは例として人間関係の質を取り上げます)ことに加え、脳の機能を高めて、成長を促し、運や健康を引き寄せるメリットがあります。それらもあわせて解説しましょう。
1つ目の人間関係の質は、イメージしやすいのではないかと思います。不機嫌なときは、人と話したくなくなり、人の話を素直に聞けなくなります。他者に対して優しくできなくて、ケンカになる場合も。機嫌の悪さは、人間関係のベースとなる会話や対話、コミュニケーションを低下させます。良質な人間関係の根本に存在するのが、機嫌がいいという状態なのです。
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