40~50代男性の約4割が「BMI25以上」
特に高血圧は、50代では“2人に1人が予備群”と言われるほど一般的で、糖尿病も働き盛りの世代での発症が増えている。
腎臓病は自覚症状がほとんどないまま進行するため、健診で腎機能低下を指摘される40〜50代は少なくない。
肥満については、厚生労働省の国民健康・栄養調査で、20歳以上男性のBMI25以上の割合が31.5%とされる。年齢階級別にみると、男性では40歳代、50歳代ともに約4割がBMI25以上であり、働き盛りの世代にとっても珍しい状態ではない。
つまり、これらの病気は特別な人だけが抱えるものではなく、現役世代のごく普通の働き手が抱えている“現代病”であり、誰でも当事者になり得る。
そして熱中症は、単なる暑さの問題ではない。背景にある持病が、本人の気づかないところでリスクを高めている。
アキモトさんは退院後、職場に糖尿病であることを伝えた。
「言えなかったことが、倒れた原因の一つだったと思う。これからは無理をしないで働ける環境を作りたい」と語る。
熱中症対策は「水分補給と空調」だけでは足りない
2026年4月からは、改正労働施策総合推進法により、事業主には「治療と就業の両立支援」に取り組む努力義務が課されている。病気を抱えながらも安心して働き続けられるよう、相談しやすい体制を整え、必要な配慮につなげることは、もはや一部の善意ある職場だけの取り組みではない。
病気は自己責任ではなく、誰もが抱え得る現代のリスクでもある。
大切なのは、「本人が言うべきだった」で終わらせることではない。病気を言い出しやすく、言ったあとも不利益を受けず、必要な配慮につながる職場をどうつくるかである。暑さが長引く時代、熱中症対策は水分補給や空調だけでは足りない。持病を抱える人も、抱えていない人も、無理を隠さず働ける職場をつくることが、これからの命を守る対策になるのではないだろうか。


