教育学者「科学的な証拠はほとんどない」

一方、アルファスクールをめぐっては、多くの批判や疑問の声も上がっている。同校が掲げる「2アワー・ラーニング(2時間学習)」と呼ばれるAI主導の教育モデルは、「教育格差の解消に役立ち、すべての生徒に質の高い教育を提供できる」と関係者は主張するが、最低でも年間1万ドル(約160万円)とされる高額な学費を支払える家庭は、ごく一部に限られる。

さらに、AIに職を奪われることを恐れ、議会に介入を求める教師がいる中で、アルファスクールの教育モデルが、外部機関による十分な検証を受けていない点も指摘されている。私立機関である同校は、州政府に学業指標を報告する義務がなく、データを開示していない。

スタンフォード大学の教育経済学者キャロライン・ホックスビーは、「テクノロジー業界で働く親たちには、従来とは異なる教育ツールを積極的に受け入れる傾向がある」と指摘した上で、「科学的・実証的な証拠がほとんど存在しない教育手法を、私は無条件に支持する立場ではない」とWSJにコメントした。

保護者「娘たちはゾンビのようになった」

そんな中、米CNNは今年1月の長文レポートで、子どもをアルファスクールに通わせた結果、当初の期待とは裏腹に深刻な懸念を抱くに至った保護者たちに話を聞いた。宿題も教科書もない同校では、教員資格を持たない人間の「ガイド」が学習意欲の維持や教室運営をサポートしている。

しかし、個別に最適化されたAIソフトウェアによる学習は、一見すると効率的で学力テスト上の数値を押し上げるように見える一方、その裏で子どもたちが「数値目標」に過剰適応し、深夜までアプリを使った追加学習に追われるなど、過度なプレッシャーを抱える事例が相次いでいるという。

勉強に不安を抱える女性
写真=iStock.com/Nuttawan Jayawan
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CNNが話を聞いた保護者の一人は、2人の娘を2年間アルファスクールに通わせた結果、公立学校へ転校させることを決めた。娘たちは退学する頃には学校生活に疲れ切り、「まるでゾンビのようになっていた」という。