イタリアは国を挙げてトランプに猛反発
軽視されたにもかかわらず、何の反応も示さなかった日本。それと対照的な対処をしたのがイタリアだった。
今年6月、トランプ米大統領が「メローニ首相はG7で私に写真を懇願してきた」「気の毒に思って応じた」と語ると、メローニ首相は数時間のうちに動画で反論した。メローニ首相は「イタリアも私も、誰にも物乞いなどしない」と毅然と述べた。
イタリアのタヤーニ外相は予定していた訪米を取りやめ、マッタレッラ大統領は電話で連帯を伝え、政敵である中道左派の元首相レンツィ氏も擁護に回ったほどだった。
案件内容はまったく異なるが、なぜ、日本は即座に抗議しなかったのか。
前出ゴヴェッラ氏は日本とイタリアの違いを指摘する。
「トランプ大統領による批判が、メローニ首相という公職と、イタリアの国民的自負心とに結びつけて受け止められたのとは異なり、アルバニージー首相の発言は、日本国内ではほとんど関心を集めず、国全体への攻撃というよりは、思慮を欠いた冗談として解釈されたように見受けられます」
「口に出して言うのははしたない」
山上氏は、イタリアと同じように抗議が行われなかった理由を2つ挙げる。
ひとつは、日本人が不当な扱いを受けても公の場で声を上げない傾向が強いこと。
「不快には思っても、それを口に出して言うのははしたない、そこまで言わなくてもいい、あえて問題を大きくする必要はない。それが日本人のたしなみだと捉えている人もいます」
これは日本とイタリアの差というより、日本と日本以外の差だと山上氏は言う。同じ東アジア人でも、中国人や韓国人は嫌な思いをすれば、はっきりと主張する。
もうひとつは、当事者本人が動いたかどうかだ。
「メローニ首相本人が怒り、自ら発信したことで、周りもそうだそうだと輪が広がった面があると思います」
一方、高市首相は声を上げていない。
「日本のメディアで(現地での騒動が)報じられていないくらいですから(※)、高市さん本人が知らなかったのではないかと思うんです。本人から反論せよという指示がなかったから、周りも様子見になった。むしろ鎮静化させて、カーペットの下に隠す方向に動いた」
(※8月半ばに、豪政府は日本政府に対し『指摘されているような(性的な)意味合いを込めて発言したわけではない』と釈明したと日本のメディアが報道)
この判断・行動が世界基準ではおかしい、と山上氏は指摘する。
「日本の民主的手続きで選ばれた首相です。これが高市さんであろうが、鳩山さんであろうが、石破さんであろうが、このような扱いを受けた時、日本のメディアは報じるべきです」

