収入月1万円の内職も始めた
生活保護を受給するようになってから水沢さんは配送会社を辞め、シール貼りや箱を組み立てる内職をするようになった。うつ病の悪化により外で働くことがしんどくなってきたのだ。現在、うつ状態、適応障害、パニック障害と診断されており、2週間に一度通院し、服薬を続けている。
「内職の収入は月1万円です。これでは子ども2人を育てていくのは難しい。でも生活保護費があったので、金銭面での不安が減りました。また、医療費の負担もなくなり、助かりました。子どもがいたり、私のように精神疾患があり、定期的に通院している家庭はとても助かります」
水沢さんはいわゆるアダルトチルドレンだ。父親がアルコール依存症で、物心ついた時には両親の喧嘩が絶えず、恐怖に怯えて暮らしていた。水沢さんは、「自分のようなつらい思いを、自分の子どもにはさせない」と思っていたが、皮肉なことに、無意識のうちに自分が育った家庭とそっくりな家庭を、自らも作り出してしまっていた。
また、祖母から暴言で支配されるかのように育てられた母親も、暴力で家庭を支配しようとするかのような夫(水沢さんの父親)を選んでしまい、その負の連鎖は続いてしまう。水沢さんは見た目だけは紳士のモラハラ男性を夫に選んでしまったのだ。
「生きるため」に必要な人に届くべき制度
水沢さんは生活保護受給者となってから、Web上だけでなく、現実でも嫌な思いをしたことがあると話す。
例えば、生活保護受給者が自治体(福祉事務所)から発行される「医療券」を病院窓口で出した時に、ひどく嫌そうな対応をされたり、あえて大きな声で「医療券の方ですね」と言われたり。
「やはり『生活保護=底辺』『生活保護受給者は働いていない、税金で生きている、ラクをしている』といったイメージは根強く残っています。私は働いて、生活に足りない分を保護費で補ってもらっています。そういう一部受給のケースもあることを知ってもらえたら、本当に困っている人が『相談しよう』と思うハードルも下がるのではないかと感じます」
昼逃げから3年が経過したが、夫とはまだ正式に離婚できていない。
「2026年中に再度、離婚訴訟を起こす予定です。まもなく別居して5年になるので、離婚成立の可能性が高くなります。夫と離れて暮らし始めて、贅沢はできませんが、毎日楽しく暮らせています。おかげでうつの症状がかなり緩和されました。寛解まではまだまだですが、怯えて暮らす生活から逃れられたことは私にとってとても良いことでした。本当に離れて良かったと思っています。生活保護は、『生きるため』に必要な人に届くべき制度だと感じています」
水沢さんは離婚が成立すれば、児童扶養手当などが出るため、そのタイミングで生活保護からの卒業を考えている。


