生活保護受給が決まるまで
現在水沢さんは、生活保護を受けながら、息子たちと3人でアパートを借りて暮らしている。2025年2月に申請し、3月から受給が始まったが、受給開始までの道のりは平坦ではなかった。
水沢さんが最初に生活保護課(地区の保健福祉センター)へ相談に行ったのは、昼逃げしてすぐのこと。配送会社で働き始めたものの、夫からの婚姻費用が毎月必ず入るかどうかわからないため、どうしても生活費が不足する。
しかし、対応した女性職員は、あしざまに「生活保護なんてそんな簡単に受けられるものじゃないんですよ。お若いですよね? 労働能力がある方は働いてください」と言い放った。
「若くても、見た目にはわからない病気を抱えている人もいますが、この時は、生活状況や私の精神疾患(うつ病)のことなど何も聞かれずに帰らされました。今でもトラウマです。どう頑張ってもダメで、わらにもすがる思いで保護課に相談に行ったのに、門前払い状態で心が折れました。ブログに生活保護申請に関することなどをつづると、『税金を無駄に使うなよ! 働けよ!』とか『DVとか嘘だろ。DVするような男選んだバカは誰だよ』とか、見飽きるほど誹謗中傷の書き込みをされました」
それでも先立つものがなければ子供を食べさせていくことはできない。不足する生活費をクレジットカードのキャッシングで補っていたために、返済額はついに100万円に膨らみ、2度目の申請に出向いた。2023年4月のことだ。
「この時の職員の方は、とても親身になって話を聞いてくれました。でも、『自己破産ってご存じですか?』とたずねられた時、自分が自己破産をするなんて全く考えていなかったので怖くなってしまって、『もっと頑張って働きます!』と断ってしまいました」
受給額は月4万8000円の家賃を含めて6万円
しかし現実は厳しい。働けど働けど返済額は減らない。水沢さんは毎日お金のことばかり考え、不安になり、うつ病が悪化した。
そして2025年3月頃、話だけでも聞いてもらおうと思い、3度目の保護課へ。今回もダメかもしれないと半ば諦めていた水沢さんだったが、幸い申請でき、受給できることに。
扶養照会があったものの、高齢で祖母を介護する母親に水沢さんを支援する余力はなかった(母親は軽度認知症が始まった祖母の介護をしていた)。また、生活保護受給にあたり、「負債」があってはならないとのことで、結局、自己破産手続きをすることになった。
「正直なところ、2度も断られていたので、正式に決定しても、本当に受給できるか全く確認がもてませんでした。いろんな悩みのほうが大きくて、冷静ではなかったのだと思います」
水沢さんは現在に至るまで、夫との離婚が成立していない。そればかりか、裁判所が決めた婚姻費用(月15万円)の支払いも滞りがちで、受給する保護費は、月4万8000円の家賃を含めておよそ6万円だった。
ただ、水沢さんは、「生活保護が受給されるようになって、婚姻費用に完全に依存せずに生活できるようになったことが精神的に大きい」と話す。
「私のように相手が離婚を拒否している場合、養育費が入らないばかりか、実質母子で生活していても児童扶養手当は入ってきません。夫からの婚姻費用は、2カ月振り込まれなかったこともありました」

