聞き手が「殺した前提」で尋ねている

今回、話を聞いたのが731部隊の日中戦争における細菌戦を研究し、愛知学院大学文学部准教授を務める広中一成氏だ。『七三一部隊の日中戦争 敵も味方も苦しめた細菌戦』(PHP研究所)などの著書がある広中氏は、15年以上にわたって戦争体験者の聞き取りを続けてきた。

そこで気づいたのは、オーラルヒストリーで起こり得る問題であった。

広中氏がまず指摘するのは、聞き手による誘導だ。