目的を絞っていれば勝てた可能性は高かった
ミッドウェイ海戦の敗因の一つとして、ずさんな索敵が挙げられますが、その原因となったのは、数が限られた攻撃機をそれに使うのはもったいないという、当時の海軍軍人の感覚だったと思います。
わずか15機とはいえ、鳳翔を機動部隊に先行させて、その搭載機を索敵にあてれば、米機動部隊をもっと早く発見できたかもしれません。ちなみに、空母飛龍が炎上する有名な写真は、後方の主力部隊に随伴していた鳳翔から、戦況把握のために出された九六式艦攻が撮影したものです。
この事例からみても、旧式空母に旧式機とはいえ、使いようはあったはずです。「大軍に兵法なし」という言葉がありますが、ミッドウェイ海戦でもアメリカを上回る航空機を揃え、力押しに押せば勝てた。
暗号を読まれていたことは必ずしもミッドウェイ海戦の勝敗を決したわけではないとする、キーガンの主張にも一理ありますね。山本の当初の発想通り、米機動部隊の撃滅を目的としておけば、作戦成功の可能性は相当大きかったと思います。
ミッドウェイ島への攻撃は敵をおびき寄せる餌に過ぎないことを現場に徹底し、アリューシャン作戦などやらずに、すべての空母を戦闘海面に集中し、艦船攻撃の準備を怠りなくしておく──当たり前のことですけれど、そうして目的の単一化をはかっていれば、勝利の公算は高かったでしょう。


