中高年、高齢者の最大の変化は「労働時間」

しかし、ちょっと立ち止まって考えてみたい。中高年や高齢者ネットで単に時間と経費の無駄遣いをしている、もしくは、若年層や働き盛り層が支払っている社会保障費を食いつぶしているだけの存在と考えてよいのだろうか?

これまで、本連載では、折にふれ、中高年・高齢者の労働力率の変化を取り上げてきた(例えば、3年前に配信した「コロナ禍でも外出を控えなかった高齢者…現役世代の少食化vs.リタイア組の大食い化が進んでいる背景」)。ここで再度最新の2025年まで更新したデータを図表5に掲げた。

近年の中高年・高齢者の生活変化の最大のものは年を取っても働くようになったことである。

理由については過去の連載記事をご覧いただきたいが、一言でいえば、物価高騰の中、収入の柱である年金の足しにしようと、働けるうちは働くようになってきている、あるいは働かざるを得ないようになってきているからである。

社会へのコミットメント意欲が少し暴走

そう考えると、中高年・高齢者の通院やネット依存の拡大もまた別の見方ができるのではないだろうか。確かに、中高年の医者通いやスマホ依存で時間やお金を費やしている規模は巨大であり、社会への負担ばかりが不安要素として目立っている感は否めない。

ただ、中高年や高齢者の最大の変化は働く比率が上がっていることであり、医者通いは老骨に鞭打って働き続けるための体づくり、スマホ依存はネットを通じた社会へのコミットメント意欲が少し暴走しているだけだと見れば、そう悲観的にならなくてもいいのではなかろうか。

むしろ、ひとすじの光が射しているとプラスに考えることもできる。すなわち、高齢者の通院やスマホ時間の増加は、負担の拡大なのではなく、むしろ超高齢化社会を生き抜くための投資の拡大と考えられる側面もある。と、「中高年」に属する筆者は考えるが、どうだろうか。

【関連記事】
「老衰で天国へ」にあこがれる人は知っておいたほうがいい…6000体解剖した法医学者が解説する"本当の死因"
「ボディーバッグ」より評判が悪い…休日のイオンで見かける一発で「だらしないお父さん」になるNGアイテム【2026年6月BEST】
地方衰退の一番の原因は「人口減少」ではない…山口の超富裕層が「住民税43億円」をまるっと抱えて移住した理由
「年金だけで暮らす人」は早々に手放している…50代までに捨てておくべき「老後のお金を食い潰すもの」8選【2025年10月BEST】
台所を見れば認知症の予兆がわかる…介護のプロが断言「物忘れ」よりも早く気づける"食卓の異変"