女性中心にSNSや動画でネット依存
日本は世界の中でも、スマホ依存が進んでいるのか。
総務省内の研究所が毎年調査している「情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」の中で、ネット依存の状況について男女年齢別のデータを公表している。そのうちのひとつである「現実から逃避したり、落ち込んだ気分を盛り上げるためにネットを利用している」人の割合の推移を図表4に掲げた。
結果を見ると全体として、若い世代ほど、また女性のほうが男性より現実逃避でネットに走る割合、つまり精神安定剤としてネットが使われている割合が高い傾向にあることが分かる。
何と10代(13歳以上)の女性では半数以上が、20~30代女性では半数近くが現実逃避でネットを利用していると答えている。この結果は想像できたことではあるが、それにしても数値の高さは病的に感じる人も多いのではないか。
女性40代以上の「現実逃避」傾向
図表に掲げた2017~2025年の動きを見ていて、もうひとつ発見したことがある。それは10代~30代は、この8年間の推移の中で「上限」に達している感があるが、女性の40代以上では現実逃避のネット利用が特に女性であらたに増えつつある傾向が認められることだ。今後も伸びる可能性が高い。
総務省の研究所の同じ調査ではネット利用の内容としてどんなものが多いかも調べている。その結果を見ると、30代から50代にかけて男性と比較して女性のネット利用が目立って多いのは「SNS閲覧・書き込み」や「動画配信サービスの視聴」である。男女ともに時間の長い「YouTubeなどの動画投稿・共有サイトの利用」では女性より男性のほうが長いが、これらを中心としたネット利用が「スマホ依存」の背景にあるのではないかと考えられる。
このように日本では、ネットやスマホに費やす時間が中高年でも大きく拡大しているのであり、それが日本のネット利用を世界一にまで押し上げているのだと考えられる。
冒頭で紹介した通院率の高さと並んで、こうしたネットやスマホに費やす時間がとくに中高年の生活時間の多くを占めつつあるという以上のようなデータを見てくると、老いも若きも「下を向いてスマホを眺めている」現状は、日本の将来にどんな影響を与えるのであろうと、いささか暗澹たる気分に襲われる人もいるかもしれない。

