“本物の富裕層”はどこへ向かったのか

この過酷なルール変更に気づかず、「俺の服や時計は一生モノだ」と古い美意識にすがりつくミドル世代は、ブランドのメインターゲットから静かに、そして完全に外されていく。

一方で、新しいゲームに乗せられた若き富裕層たちは、ブランドの養分となり、次々と現れる「巨大なロゴ」に莫大な資金を投じ続けている。彼らにとって服は、スマートフォンの画面越しに自らの財力を誇示し、SNSの「いいね」を集めるための視覚的なノイズ(記号)に過ぎない。

では、本物の美意識を持ち、このグロテスクな大量消費のサイクルに組み込まれることを拒んだ「真の一流」の富裕層やオールドマネー(代々の資産家)たちは、一体どこへ行ってしまったのだろうか。