習近平がプーチンについて語ったこと
習主席は5月の米中首脳会談で、トランプ大統領に対し、「プーチン氏はウクライナ侵攻を後悔するだろう」と述べたと英フィナンシャル・タイムズで報じられた。習主席は、中国語が堪能で個人的に親しいトカエフ大統領を通じてプーチン氏にメッセージを送ったかもしれない。
トカエフ発言に対して、プーチン大統領は一瞬戸惑い、言葉を失った様子だった。ペスコフ大統領報道官は会談後、「プーチン大統領は戦場での目標を達成するには、現在の戦線で凍結できないことを説明した」と述べたが、トカエフ発言は意表を突くもので、やりとりが公開されたのは異例だ。
ウクライナのゼレンスキー大統領も7月初め、「ロシア大統領の側近に停戦を支持する勢力がいる」と述べた。プーチン政権の攪乱を狙った発言とみられるが、プーチン氏周辺の調査が行われたとの情報もある。
政権内では大統領の長年の腹心、ドミトリー・コザク大統領府副長官が昨年秋、早期停戦や民主化、情報機関改革を直訴して政権を去っている。ただし、コザク氏は公の場で発言せず、政権への打撃はなかった。
対ウクライナをめぐって分裂する政権
テレグラムの別の情報チャンネル「インサイダーT」によれば、政権内部で停戦を支持しているとみられるのは、ナンバー2のミシュスチン首相、経済閣僚らテクノクラート、ソビャーニン・モスクワ市長、それに多くのオリガルヒ(新興財閥)らだという。
一方で、政権内強硬派からは徹底抗戦論も高まる。「クレムリンのたばこ入れ」(7月25日)によれば、ロシア国防省はプーチン大統領に対し、ウクライナ軍の攻撃強化で現在の状況下ではロシアを守り切れないとし、戒厳令発動を提案したという。この提案は、モスクワ郊外の大手通販ワイルドベリーズの倉庫が最初にドローンで爆破された直後に行われた。
ベロウソフ国防相も大統領に個人的に接触し、全土でなくとも、重要インフラのある防衛困難な地域に戒厳令を発動するよう要請したという。
憲法規定では、戒厳令が施行されれば、戦時体制が導入され、選挙や集会は禁止。動員や軍需関連の労働が国民に義務付けられる。プーチン大統領は2022年10月、ロシアが実効支配するウクライナ南東部4州に戒厳令を施行した。
しかし、動員には国民の反発が予想され、政権にとってリスクは大きい。

