「売り切れごめん」覚悟で仕入れをする
実は、勝負は販売前から始まっています。うなぎは2月の段階で仕入れを決めます。桜海老も約6トンをシーズン前にまとめて確保します。売れなければ、そのまま在庫リスクになります。
それでも、私たちは売り切れを恐れて大量に追加生産することはしません。最初から「数量限定」「売り切れごめん」とお伝えしています。一昨年までは土用の丑の日に売り切れる店舗もありましたが、それはそば屋だからできることです。うなぎ専門店なら大きな問題になるでしょうが、私たちにとってうなぎは、日頃の感謝を込めた季節限定のサービスでもあります。
「今日はまだ残っていた」で得る満足感
こうした商品は原価率だけを見ると決して優秀ではありません。しかし、経営は原価率だけで判断するものではありません。
飲食業で本当に見るべき数字は、粗利益高です。
原価率は高くても、1杯あたりに残る利益額は十分に確保できます。最終的に人件費や家賃、光熱費をまかなって会社が利益を残せるのであれば、それでいい。一品ごとの原価率だけで良し悪しを判断するものではないのです。
今回の得ランチに向けては、うなぎをさらに4トン追加で仕入れました。それでも「売り切れごめん」という考え方は変えません。
いつ行っても必ずある商品より、「今日はまだ残っていた」という体験の方が、お客様の満足につながることがあります。限定だから食べたくなる。売り切れる可能性があるからこそ価値を感じる。その期待感まで含めて商品なのです。
機会損失を恐れて在庫を積み上げるより、期待値を高める仕組みをつくる。その方が、お客様にとっても、私たちにとっても、長く愛される商売になると信じています。
まとめ
機会損失よりも、お客様の期待値を高める


