金利上昇に神経を尖らせる米国

今年の2月末に米国がイスラエルとともにイランを攻撃して以降、米国の長期金利は上昇が続いている(図表2)。いわゆる“有事のドル買い”が健在であった一方で、その信用力の源泉となる国債に関しては需要が減少しているわけだ。長期金利を押し上げている最大の理由は、戦争の長期化に伴う米国の財政悪化懸念にあると考えられる。

【図表2】米独日の長期金利(10年国債流通利回り)

それに、イラン発のグローバルなエネルギーショックの影響に伴い、産油国である米国でもエネルギー価格が上昇したことを受けて、連邦準備制度理事会(FRB)が利上げに転じるとの観測が強まったことも長期金利の上昇につながっている。タカ派とされるケビン・ウォーシュ氏がFRB新議長に就任したことも、この観測を強めている。

そもそも投資家が、トランプ大統領による荒唐無稽なマクロ経済運営を嫌気し、米国の国債を購入しなくなった可能性も意識される。現に年明けには、機関投資家として有名なデンマークの年金基金が、グリーンランドの領有をめぐる対立に伴い米国の国債を全額手放している。程度の差はあれ、こうした動きが広がっていると考えられる。