台風から離れたところの「遠隔豪雨」

台風がやってくると、台風本体に伴う発達した雨雲によって大雨がもたらされます。しかし、台風から離れた場所でも大雨が起こることがあります。

台風は非常に多くの水蒸気を伴っており、台風本体の雨雲がかかっていない地域でも、南から多量の水蒸気が流入して山地の斜面で持ち上げられ、雨雲が発達して大雨になることがあります。さらに、台風の中心から1000km以上離れた場所でも、梅雨前線や秋雨前線などの停滞前線があると、大雨が発生することがあります。これは遠隔豪雨(遠隔降水)といい、「前線が台風に刺激されて活動が活発化」と表現されることがありますが、正確には台風由来の多量の水蒸気が流入して前線の近くで雨雲が発達するのが主な要因です。

遠隔豪雨のあとに台風の本体がやってくると、さらに雨量が増えて大規模な水害が発生することも。台風が日本付近にあるときは、中心から離れていても気象情報を確認して天気の変化に気をつけましょう。

どのくらいの風速で何が起こるのか

さて、台風がくると風も強くなります。ただ、ひと口に風が強いといっても、どのくらいの強さの風で何が起こるのでしょうか。

風の強さは、風速で表わされます。日本では10分間平均の風速が用いられており、風速20m毎秒以上の風は予報用語では非常に強い風と呼ばれ、人は歩けず何かにつかまらないと立てなくなります。風速が30m毎秒以上では猛烈な風と呼ばれ、トラックが横転するようになり、40m毎秒以上では家屋が倒壊することも。

猛烈な台風では中心付近の最大瞬間風速(3秒間平均風速の最大値)が85m毎秒に達することがあり、これを時速にするとなんと時速306km! 新幹線の最高速度と同じくらいで、電柱や街灯も倒れるような危険な暴風です。

台風に伴う暴風でとくに気をつけたいのは、飛散物です。暴風に乗って重い看板や植木鉢などが飛んでくるので、屋外は極めて危険です。台風の接近前に外にある飛びやすいものを家のなかにしまうのは、なくなることを防ぐだけでなく、誰かを傷つけないためでもあるのです。