高額年収の陰の自己尊厳破壊

藤沢が入社した当時、新入社員の年収は600万円~700万円だった。他社に入社した大学時代の同級生たちは、400万円~500万円。比較すれば、本来200時間の残業を70時間に抑えていたとしても高額だ。

年収だけで見れば、電通より上のクラスはあった。外資系金融機関が名を馳はせていた時代であり、ゴールドマン・サックス、リーマン・ブラザーズや、コンサルティング会社のマッキンゼーなどは新入社員時代で年収が1000万円を超える者もいて、別格だった。

それでも、大学生が憧れる就職先のトップクラスで、内定を勝ち取ることも相当難しい電通に就職できたことは、自慢であり誇りでもあった。