スネ夫が自分の部屋で、有名タレント田野金平らのサイン色紙を自慢しています。そこにはなんと、手がたまでついていました。のび太にジャイアン、しずちゃんはため息をつくばかり。
「ただのサインはつまらない。手がたをながめてると、その人本人が身近にいるような気がするんだ」と言いながら、スネ夫はさらに女性タレントたちのキスマークつきのサイン入り色紙をみなに披露します。それらは「松木伊代」「伊藤つばさ」「早目優」など、今をときめくアイドルのものばかり。のび太たちは驚き、歓声を上げます。
スネ夫は「こんなのが手に入るのも、うちのパパがテレビ局の社長の友だちだからだけどね」と、もはやワンパターン化したフレーズを口にします。そして、「ジャイアンとしずちゃんに好きなのあげる。ぼくはいつでももらえるから」とのび太を仲間はずれにするのでした。
『てんとう虫コミックスドラえもん 第30巻』小学館 第2話目「人気スターがまっ黒け」
実力以上の大物に見える「後光効果」
う~ん、恐るべき人脈ですね……。他の話も見ながら、どんな人脈があるのかを確認していきましょう。
まず、テレビ業界では、テレビ局の社長(本当ならばすごい話ですね)に、芸能レポーター。今をときめく有名タレントたちもいます。ほかには出版社の社長、印刷会社の社長、ビデオ会社の社長、馬牧場のオーナーと続きます。
きわめつきは、「松上電機」の社長です(どこの企業をもじっているか、おわかりですよね)。すべて、会社社長である「スネ夫のパパの友人」という設定になっていますが、このような交友関係があるなら、スネ夫のパパは立派な財界人でしょうし、スネ夫本人も(プチ)セレブといえそうです。
このように、本人の実力とはあまり関係のないところで、「なんだかスゴい人だ」と感じさせることを「後光効果」(※注)と呼びます。
(※注「後光効果(ハロー効果)」…本人自身ではなく、その人が持っている優れた特長や属性(容姿や肩書、学歴、人脈など)が、仏像の後光のように、本人の存在を輝かせること。)
後光とは、仏像などの後ろから射す光のことです。後光が描かれていることにより、像はますます立派に見えませんか? そんな効果が、後光にはあります。

