個室を返上したがる上司たち

彼らにとって職場は、業務を遂行する場所である以上に、勤勉さと意欲をアピールし、裏の承認を維持するための場なのである。興味深いことに、最近では管理職に個室を用意する企業も増えたが、あえて個室を返上し、部下と同じ大部屋で仕事をしたがる上司が少なくない。これを「部下と同じ目線で働く民主的なリーダー」と好意的に解釈する向きもあるが、実際は自分の存在感や威厳を常に部下に見せつけ、承認を浴び続けたいという上司側のエゴであることも多い。

アメリカの企業で、上司が部下と同じフロアで仕事をしようとした際、「監視されたくないから個室へ戻れ」と部下に追い返されたというエピソードは、日本との決定的な違いを物語っている。

日本の上司は大部屋にいることで、部下の挙動を支配し、同時に自分の「偉さ」を無意識のうちに演出しているのだ。