過去5~10年分を見る、目安は年平均10%

増配率の年数に関しては、過去5年と10年を見ておくとよいでしょう。

過去10年だけでは、最近になって増配が鈍化しているケースを見落とす可能性があります。一方で過去5年だけでは、短期的な業績の好調によって、増配率が高くなっている銘柄が含まれる可能性があります。両方を確認することで、長期的に安定して増配をしているかどうかを判断できます。

また、増配率はトータルの倍率と年平均の両方を算出しておきましょう。トータルの倍率は、5年や10年で配当金が何倍になったかが直感的にわかり、年平均は毎年どれくらいのペースで増配しているかを把握しやすくなります。目安として年平均10%以上の増配率を確認するとよいでしょう。

なお、この年平均増配率は、2026年5月の銘柄スカウターのアップデートにより、確認できるようになりました。

「累進配当」を宣言=「配当を減らさない銘柄」

ここまで過去の配当実績の確認をしてきましたが、未来の配当実績についても確認する方法があります。株式投資の世界で未来のことがわかるのであれば、これほど心強いことはありません。当然、株価が未来にどうなるのかは誰にもわかりません。ところが、配当金については企業から方針が出ており、それはある程度約束されたものになっているのです。

企業のウェブサイトには、「株主還元」や「配当方針」といったページがあり、そこには利益からどの程度を配当に回すのか、などの基本方針が記載されています。

その中で特に注目したいのが、「累進配当」を基本方針として宣言している企業です。

累進配当とは、原則として配当を減らさないという考え方です。そもそも配当を減らさないことをほぼ約束している素晴らしい銘柄が存在するのです。近年は株主還元に力を入れる銘柄が増えていることもあり、累進配当を宣言する銘柄は着実に増えてきています。

例として、三井住友フィナンシャルグループにおける株主還元の記載として、「配当は、累進的配当方針および配当性向40%を維持し、ボトムライン収益の成長を通じて増配を実現してまいります。」と書いてあり、累進配当を宣言しています(2026年3月時点)。さらに増配という記載が含まれていることから、増配に対する意識が感じられます。

三井住友銀行本店
三井住友銀行本店(東京都千代田区)(写真=Kakidai/CC-BY-SA-4.0/Wikimedia Commons