キャリア支援・OBネットワークに強み

理工系を中心に幅広い学部を持ち、毎年大量の卒業生を輩出する日大は、「現場を回せる大卒人材」を安定的に供給できる数少ない存在だ。さらに、長年にわたる就職実績によって企業内にOBネットワークが蓄積されていることも、採用の継続性を支える要因となっている。

日大のように文理双方の人材を大量に供給できる大学は、ビジネスの変化にも柔軟に対応できる。

大量採用による労働集約化が進んだ企業では、個々の突出した能力ではなく、一定水準で安定的なアウトプットが期待される。特にマンパワーでの人海戦術を前提とする現場系・BtoC業務では、初期配属後の離職率や配置転換への耐性が重要指標となる。

加えて、選抜プロセスの性質も影響している。新卒採用の大半は筆記試験や適性検査、複数回の面接で構成され、専門能力よりも対人応答や協調性といった指標で評価される。こうしたプロセスでは、大学によるキャリア支援による事前対策の有無が通過率に直結しやすい。

無視できない「中堅私大の存在感」

就職みらい研究所によると、卒業生1000人以上の中堅私大でも専任スタッフを20人以上配置するのは2割程度にとどまる。その一方で、日本大学では約80人規模と、同規模大学と比較しても突出している。さらにグループディスカッション対策やエントリーシート添削、面接訓練が多くの学部で継続的に開講されており、他大学と比べて利用者数が圧倒的に多い。こうした支援体制は、学生個々の能力差を補い、選考通過率の底上げにつながる。

このように採用側目線では、「安定して基準を満たす人材供給源」という位置づけになるのだ。大学入学時の難易度を踏まえれば、日大のコストパフォーマンスは高い。

鉄道業界に限らず、事業構造が大きく転換する途上にあり、扱いやすい「バランス人材」の採用に力を入れる企業は多い。エリート採用のイメージが根強い外資コンサルですら、近年はこの傾向が顕著だ。話題の「大学不要論」とは裏腹に、日大のような中堅私大の存在感は特定の領域においてさらに高まる可能性が高いのではないか。

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