再現性のハラオチなくして採用なし

既述のように、輝かしい実績があっても、「それはあなたが大企業にいたからでしょ?」という穿った見方をされたりすることは、以前からありました。

最近はアフターコロナや業界の構造変化、DXの普及、慢性的な人手不足といった業界・市場・仕事の進め方等の激変により、過去の実績は今まで通りには通用しなくなったため、実績をより疑問視されるシーンが増えてきています。

つまり、ご自身がPRする実績は「本人の実力」ゆえなのか、「単に環境が良かっただけ」なのか、面接官はその見極めが非常に難しくなってきているのです。

その主要因の一つがAIです。

最近はミドル世代の転職活動においてもAI活用が盛んになってきて、「非常にうまい言い回し」や「無難できれいな回答」が氾濫してきています。

たとえば、Geminiに「面接で『あなたの仕事の取り組み方は?』と質問されたらどう答える?」と聞くと、次の回答案が出てきました。

「私は『周囲を巻き込み、チームの相乗効果を最大化すること』を意識して仕事に取り組んでいます。自分のタスクをこなすだけでなく、メンバーの状況を把握し、課題があれば早めに共有・相談できる環境作りを大切にしています。結果として、以前のチームではミスが3割減少し、目標達成率も向上しました。御社の活気あるチームの中でも、円滑な連携の要として貢献したいです」

筆者はあえて「仕事の取り組み方」というかなり漠然とした質問をGeminiに投げたのですが、それでもこうした納得性の高い架空の回答案を創作してくるのです。

面接
写真=iStock.com/mapo
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面接官は“深掘り質問”で突っ込んでくる

応募者の大半からこういったきれいな回答をされてしまうと、面接官は「本人の真の実力」や「当社とのマッチング度合い」といった重要な選考基準を測るのが困難です。

だからこそ、「成果の再現性」、つまり「こうした実績や経験は、今のこの時代の御社のこの仕事でも活用ができ、同じような成果を生み出すことができます」という応募者のPRをハラオチさせたいために後述のような深掘り質問がどんどん出題されることになります。

また、最近のトレンドとして、「他責傾向」の人は業種・職種、実績・経験を問わず、一発レッドカード、つまり即不採用で選考のステージから降ろされてしまいます。

特にミドル世代が、たとえば「それはコロナだから仕方がない」、「その失敗は当時の上司の判断ミス」などと言うと「他責傾向あり」と判断されます。要注意です。