「期待」「興味」に意識を向けるクセをつける
そこで、相手の「期待」や「興味」に意識を向けるクセをつけるように練習と実践を重ねたところ、次第にプレゼンで大失敗することがなくなっていきました。
こうなると面白いもので、やがて「このトピックに詳しいから話してください」というフェーズから「このトピックで話せますか?」と言われるフェーズへ移行できるようになっていきました。
つまり、このトピックを「あなたに話してほしい」というように、相手の期待が変わったのです。
トピックに制限されるのではなく、どんなトピックでも、「期待値以上の話をしてくれる人」として認識してもらえるようになったということです。このような評価にも勇気づけられ、かなり遅咲きでしたが、僕は少しずつプレゼンそのものの魅力に取り憑かれていったのでした。
繰り返しになりますが、これはすべて「他者の期待」を理解することから始まりました。そしてほとんどの場合、その期待は「ハッピーになりたい」ということだったのです。
「きれいなスライド」「スマートさ」は本質ではない
プレゼンの際にきれいなスライドをつくるのは表面的なことに過ぎません。なぜなら、顧客の行動の変化に直結することとはまったく別問題だからです。
プレゼンでスマートに振る舞うのも同じこと。スマートであるに越したことはないですが、それはあくまでも枝葉の部分に過ぎません。僕はこのことを、よくコンピュータにたとえて話しています。
《話し方・スタイル=インターフェース》
コンピュータは、ディスプレイが美しいとユーザーから高い評価を受けます。でも、いくらディスプレイが美しくてもメモリやハードディスクの容量が数百メガバイトだったら、それはもうお話にならないわけです。むしろ、ディスプレイが美しいゆえにがっかり度は増すでしょう。
同じように「話すのが苦手でも大丈夫?」「緊張するのはどうしたらいい?」と心配するのも、すべて枝葉の話であって本質ではないのです。
結局のところ、スマートに振る舞うほうがいいのは、その人の自信になるからなのです。伝える必要のあるビジョンを押さえたうえでスマートに話すこともできたらさらに自信になることでしょう。つまり、自分がより具体的に成功体験として認識するために、話し方やスタイルを磨くアプローチもあるというだけの話なのです。

