聞き手視点で問題点を潰す
たとえば田原さんと岩瀬さんのやりとりで、こんな場面があった。
田原さん(田):ネットベンチャーで世界に保険会社はないのか? あったとしたら、時期はどうなのか?
岩瀬さん(岩):アメリカにはありません。日本に他1社、南アフリカに1社、韓国に大手の生命保険会社と合弁で1社ができるため、世界4社。日本の1社はほぼ同時にスタートしました。
田:その企業は、岩瀬さんとことどこが違うか?
岩:経理形態は近いですが、契約件数は先方のほうが少ないです。
田:岩瀬さんのところに入るメリットは? 手数料がかからないこととほかには?
岩:利便性でしょうか。24時間ネットでできることです。
田:結局支払いがされないということは。
岩:商品がシンプルなため、払うかどうかの基準が明確です。
まずは、世界にたった4社しかないという事実を掘り起こすと、実は日本にもあるという。となると、次に気になるは、その企業との違いだろう。間髪なくそこを聞いていく。
こうした受け答えには、ジャーナリストが話をつきつめていく際によく使う「5W1H」が盛り込まれている。話に聞き手視点の疑問が入ることで、わかりにくいところや、問題点を潰していくことができるだろう。