イメージを具体的にする「たとえ話」
私たちは、初めて出会ったモノ・出来事など、説明を受けてもイメージが湧きにくいことがある。そんな未知のものをイメージさせるために、すでに慣れ親しんだものや状況を使って「たとえば、アレのようなものです」と説明することはあるだろう。
こうした「たとえ話」などが、非言語要素の強いアナロジーと呼ばれる方法だ。抽象的で漠然としかイメージが浮かんでいないものを、何かで具体的に置き換えられるため、的確に自分のイメージを伝えるのに役立つ。
たとえば、先日「英語で話すときの頭の中の思考回路を説明して欲しい」と言われて、頭の中でどんなことが行われているかを説明する術を考えてみた。そこで、「英語は几帳面で語順には決まった型があり、それを崩すと話が通じなくなります。だから、名詞→動詞~と“決まった型に箱が並べてあり、使いたい単語を入れていくイメージ”でしょうか」*1)とお答えした。
実際には、日本語を話すときと同じで瞬時の判断だ。けれども、難しいときには自分の思考の中で日本語をできるだけ簡単に言い換えて、その日本語を英語の型に並べ替えていくなど、英語には確かに決まった型が存在する……。
こんな風に伝えにくいことは「たとえば」のイメージで説明することになるだろう。こうしたアナロジー表現は、新製品、新しいコンセプト、新規プロジェクトなど新しいものを始め、難解なコンセプトなど人がイメージしにくいことを説明するために使うと、お互いのイメージ共有に効果的である。