銀行預金の利息はちょっと増えるが…

政策金利の引き上げは、プラス、マイナスの両方でわたしたちの暮らしに影響する。真っ先に思い当たるのは、預金金利の上昇だ。

8月、大手3行は普通預金の金利を0.1%引き上げ0.4%にする予定だ。預金金利が上昇すると、預貯金を持つ個人が受け取る利息は増える。それは家計にプラスだ。

金利上昇で、資金運用の選択肢も増える。6月中旬、日経平均株価は7万円台に突入した。一部で相場過熱感も出始めたという。今後の株価の調整リスクを警戒し、一部の銘柄を売却して利益を確定し、資金を定期預金や個人向け国債に配分する投資家もいるようだ。ただ、これだけ株価が上昇すると、株式投資から利益を得ている投資家は多いはずだ。それも、景気にはプラスに働く。

一方、政策金利の上昇は、わたしたちの生活負担上昇にもつながる。一つの例は、住宅ローンの金利上昇だ。住宅金融支援機構によると、2026年1月調査で住宅ローン利用者の75%が変動型の金利を選択した。首都圏ではマンションなど住居価格の高騰により、50年の超長期の住宅ローンを組む30代や40代の世帯は増えた。

※住宅金融支援機構「住宅ローン利用者調査(2026年1月調査)

金利上昇で返済額がどれくらい増えるか、理解が十分ではないと感じる人は全体の52.0%と多い。そうした人は、今後の金利上昇が家計に与える影響をあらかじめ把握しておくことが大切だ。

ビジネスマンが上昇するアパート価格と住宅ローン金利を描写している
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1億円ローンだと支払額が1250万円増加

0.25ポイントの利上げがあり、変動型住宅ローンの金利が1%から1.25%に上昇したとする。実際の計算はそれほど単純ではないが、50年間、1億円の住宅ローンを借りた人の支払利息は総額で1250万円増える。

住宅ローン以外の返済負担も増える。日本学生支援機構(JASSO、ジャッソ)が提供している第二種奨学金の場合、卒業時に金利の水準が決まる。2021年3月時点で0.369%だった貸与利率は、本年3月、2.423%まで上昇した。そのほか、成人の10人に1人が利用しているといわれるカードローン、自動車ローンなどの金利も利上げの影響を受ける。

政策金利の引き上げによって、債務の支払利息負担は増える。状況次第で、子どもの習い事や趣味の支出を減らす必要性に迫られる人は増えるだろう。わが国では、金利ある世界に慣れていない個人、企業は多い。支払金利の増加がどの程度か、今のうちに大まかに把握することは家計や事業を守るために有益だ。