日銀と高市政権の間に生じている「矛盾」

現在、わが国の金融政策は、全体として緩和気味の状況が続いている。一方、ここへ来てイラン戦争の影響もあり、物価の上昇圧力は高まっている。円安傾向で輸入物価も上がりやすくなっており、日銀としてもインフレ対策を打つ必要性が鮮明化している。

そうした政策目標を達成するためには、金利を引き上げて金融政策を正常化することが必要になる。日銀としても政策変更が後手にならないよう、迅速に手を打って見せる必要があったとみられる。

ただ、一つの問題は、高市政権の積極財政政策との整合性を維持することが難しくなりつつあることだ。現在、政府は、電気・ガス補助金やガソリン補助金といった財政政策を動員してインフレを抑えようとしている。そうした政府の政策と、日銀の金融政策の正常化をどのように正当化するか、なかなか難しい問題になりつつある。