なぜ真冬に冷やし中華が売れるのか
この単品管理では、いかに顧客の心理を読んで、顧客が共感する「仮説」をつくり出し、潜在的ニーズを掘り起こせるかどうかが問われる。そのため、鈴木流の経営は「心理学経営」とも呼ばれた。
この仮説を立てる際、近年注目されているのが顧客体験価値(CX=Customer Experience)という概念だ。商品の価値には物質的・物理的価値(機能、性能など)と心理的・感情的価値がある。食べ物であれば、味のよさは前者だ。一方、顧客がある状況で美味しい食べ物を買って食べるという体験を通して心理的・感情的に感じるのが顧客体験価値だ。
例えば、セブン‐イレブンでは真冬でも少し汗ばむほど暖かい日には「冷やし中華」が売れる。これは冬に冷やし中華を食べる体験に新鮮な価値を感じるからだ。あるいは、週末に1週間仕事で頑張った自分へのごほうびとして、ワンランク上にプライベートブランドであるセブンプレミアムゴールドの食べ物を買う。この「ごほうび消費」も顧客体験価値の典型だ。
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