ヤマダ・エディオン以外は生き残る道筋を付けている
業界3位(売上8162億円)につけるヨドバシカメラも、売上の3割近くを占めるというEC・ネット販売(ヨドバシ・ドットコム)の強みがある。かつ、2001年に開業した「マルチメディア梅田」が、年商100億円達成でお祭り騒ぎとなる他の量販店をさしおいて、1店で1200億円を稼げる巨艦店のフォーマットを作ってしまった。
都心部ではヤマダが「LABI1」(ラビワン)業態を各地で出店しているものの及びもつかず、「駅前の大きな電気屋さん」はヨドバシ・ビックの独擅場といえるだろう。
しかし、今後も同様の成功を再現できるとは限らない。おそらく、過去最大級の売場を擁して6月30日にオープンする「ヨドバシカメラ・マルチメディア池袋」(西武池袋本店の改装後のスペースに入店)の成否が、今後の成長を占う指標となるだろう。なお、今回取材した関係者(東京・秋葉原の某店出身)によると「電気屋が売場1万坪? 想像もつかないから知らん!」と、一瞬で回答が返ってきた。
営業エリアで見ると、群馬県での創業後に「北関東YKK」(ヤマダ・コジマ・ケーズ)の競争に勝ち残って全国進出を果たしたヤマダは東日本メイン、ヤマダの勢力拡大に危機感を覚えたエイデン(東海)ミドリ電化(近畿)デオデオ(中四国・九州)の合併で誕生したエディオンは、西日本がメイン。両社とも、広い駐車場とセットの郊外型店舗で顧客を掴み、「家族で家電をじっくり選べる大型店」を築き上げてきた。
巨大量販店に勝ち目はあるのか
さらに、ヤマダ電機の創業者・山田昇氏(現・ヤマダホールディングス会長)、エディオンの久保允誉氏(現:会長)は、いまの家電量販店のスタイルを築き上げた業界のレジェンドでもある。ふたりの剛腕のもと、両社とも郊外型の店舗で成長を続けてきた……両社の歴史は何か交じり合い、激突を繰り返した上で今に至る。
現場レベルでも、旧・デオデオの本拠地があった広島市、ミドリの金城湯池であった兵庫県姫路市などで、エディオンの目の前にヤマダが出店するなど、敵愾心を隠すこともない直接対決となることもしばしば。関係者によると、全員で鉢巻きを締めて「打倒○○○、勝て、勝て、勝てーーー!!!!(3回複唱)」と朝礼でシュプレヒコールを挙げるような店舗もあるようだ。
そんな両社が、よりによって山田会長・久保会長が仲良く同席のもと、経営統合を発表した。この事実を「未だに信じ難い」「今までの(対抗に熱意を注いだ)人生は何だったのか?」といった思いで見守るベテラン社員もいたそうで、3.5万人にも及ぶ両社の社員の心境がうかがえる。
こうして見ると、家電量販店の上位7社のうち、ヤマダ・エディオン以外は生き残る道筋を付けているといってよい。
上位同士の再編はこれ以上難しいと思われるが、2社統合の成功のカギは
・統合による省力化・共通化
・メーカーに頼らない既存店売場の再建
・「サービス充実のエディオン、価格対抗のヤマダ」など、強みのいいとこ取り
といった点にあるのではないか。
電器屋さんが、電器屋さんの基本を見直すことが、2社の勝ち筋となるだろう。




